男性不妊の基礎知識|パートナーと一緒に知っておきたいこと
「妊活って、わたしだけが頑張るもの?」
そう思ってた時期がある。基礎体温測って、排卵日を計算して、葉酸サプリも飲んで。でも半年経っても、1年経っても授からなくて。ふと「これ、わたしだけの問題じゃないかも」って気づいた。
調べてみたら、不妊の原因の約半数は男性側にあるらしい。WHO(世界保健機関)の調査でも、男性のみ24%、男女両方24%で、合わせると約48%。ほぼ半分。なのに「妊活=女性の問題」って思い込んでた自分に、ちょっと驚いた。
男性不妊って、どんな状態?
男性不妊とは、精子の数や運動率、形態などに問題があって、自然妊娠が難しい状態のこと。
具体的には:
- 精子の数が少ない(乏精子症)
- 精子の動きが悪い(精子無力症)
- 正常な形の精子が少ない(奇形精子症)
- 精液中に精子がいない(無精子症)
無精子症と聞くと「えっ、全然いないの?」って思うけど、実は100人に1人の割合で存在する。意外と多い。
原因はさまざま。でも特定できないことも
男性不妊の原因、調べてみるといろいろある。
造精機能障害
精子を作る機能そのものに問題があるケース。これが男性不妊の原因の約90%を占める。
- 精索静脈瘤:精巣の静脈が膨らんで、精子の質が下がる。手術で改善することもある
- 染色体異常:生まれつきの遺伝的要因
- おたふく風邪の後遺症:思春期以降にかかると、精巣炎を起こすことがある
- ホルモン異常:脳下垂体や甲状腺のホルモンバランスが影響する
精路通過障害
精子は作られているけど、通り道が詰まってるパターン。
- 過去の感染症や炎症で精管が詰まる
- 先天的に精管がない
- パイプカット手術の影響
性機能障害
勃起障害(ED)や射精障害など。ストレスやプレッシャーが原因のことも多い。
妊活中って、排卵日に合わせて「今日!」ってなるじゃない? それがプレッシャーになって、逆にうまくいかなくなる。悪循環。
生活習慣
意外と見落としがちなのが日常生活。
- 喫煙:精子の数や運動率を下げる
- 過度な飲酒:ホルモンバランスに影響
- 肥満:男性ホルモンが減り、精子の質が落ちる
- 熱:サウナや長風呂、膝上でのノートPC使用など、精巣が温まりすぎる環境はNG
- ストレス:自律神経やホルモンに影響
ちなみに、ブリーフよりトランクスがいいって話もあるけど、科学的根拠は微妙らしい。でも締め付けは避けたほうが無難かも。
原因不明
検査しても、はっきりした原因が見つからないこともある。これが意外と多い。「じゃあどうすればいいの?」ってなるけど、原因不明でも治療法はある。焦らず、専門医と相談しながら進めていくのが大事。
検査は意外とシンプル。ハードルを下げて
「検査」って聞くと、なんだか大がかりで恥ずかしいイメージがあるかもしれない。でも実際はそんなに難しくない。
精液検査
まずはこれ。基本中の基本。
- 方法:2〜7日禁欲してから、専用カップに採取
- 場所:病院の採精室、または自宅で採って2〜3時間以内に持参
- 費用:保険適用で数千円程度
- 結果:精子の数、運動率、正常形態率などを調べる
WHO基準(2021年版):
- 精子濃度:1mlあたり1600万個以上
- 総精子数:3900万個以上
- 運動率:42%以上
- 正常形態率:4%以上
この基準を下回っていたら、追加検査や治療を検討する。
ホルモン検査
血液検査で、テストステロン(男性ホルモン)や、脳下垂体から出るホルモンの値をチェック。ホルモン異常が原因の場合、薬で改善できることもある。
超音波検査・触診
精索静脈瘤や精巣の状態を調べる。痛みはほとんどない。
遺伝子検査
染色体異常が疑われる場合に実施。すべての人が受けるわけじゃない。
「言い出しにくい」を、どう乗り越える?
ここが一番難しいかもしれない。
わたしもそうだったけど、パートナーに「検査受けてみない?」って言うの、めちゃくちゃ勇気いる。「俺を疑ってるの?」って思われたらどうしよう、とか。傷つけたくない、とか。
でも、妊活ってふたりのこと。どっちが悪いとかじゃなくて、「ふたりで知ろう」っていうスタンスが大事だと思う。
伝え方のヒント
- 一緒に、というスタンス:「わたしも婦人科で検査受けたから、○○くんも一緒に調べてみない?」
- 情報をシェアする:「男性不妊って、実は半分くらいが男性側の原因らしいよ」って、事実ベースで話す
- タイミングを選ぶ:忙しい時や疲れてる時は避ける。リラックスしてる時に
- 責めない:「あなたのせいかも」じゃなく、「ふたりで原因を知りたい」
男性側も、プライドとか不安とか、いろいろある。それを理解しながら、でも逃げずに向き合う。時間がかかってもいい。
検査の結果が出たら
もし検査で異常が見つかっても、それで終わりじゃない。
- 薬物療法:ホルモン剤やビタミン剤で改善を図る
- 手術:精索静脈瘤など、手術で治せるケースもある
- 生活改善:禁煙、減酒、適度な運動、ストレス管理
- 人工授精・体外受精:自然妊娠が難しい場合の選択肢
原因不明の場合も、生活習慣を見直したり、タイミング法を続けたり、できることはたくさんある。
逆に「異常なし」だった場合も、女性側の検査を進めたり、タイミングの取り方を工夫したり。一歩ずつ進んでいく。
妊活は、ふたりで歩く道
不妊治療って、どうしても女性側に負担が偏りがち。注射も通院も、身体的にも精神的にもきつい。だからこそ、男性側も「自分ごと」として向き合ってほしいと思う。
検査を受けるだけじゃなくて:
- 通院に付き添う
- 治療のスケジュールを一緒に確認する
- 「今日つらかった」って話を聞く
- 「頑張ってるね」って言葉をかける
そういう小さな積み重ねが、すごく支えになる。
わたしも、パートナーが一緒に病院に来てくれた時、すごく心強かった。「ひとりじゃないんだ」って思えた。
さいごに
男性不妊って、まだまだ「話しにくいテーマ」かもしれない。でも、知ることで選択肢が増える。ふたりで向き合うことで、絆も深まる。
妊活は、ゴールまでの道のりが見えなくて不安になることもある。でもその道を、ひとりじゃなくてふたりで歩けるなら。それだけで、少し楽になる気がする。
もし今、「パートナーに検査を勧めたいけど言えない」って悩んでるなら。この記事をきっかけに、ちょっとだけ話してみてもいいかもしれない。「こんな記事読んだんだけどさ」って。
ふたりで、一歩ずつ。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたものです。気になる症状がある場合や、不妊治療を検討される場合は、専門の医療機関(泌尿器科・婦人科・不妊治療専門クリニック)にご相談ください。